The Walker'sというジャズのフリーマガジン。
2008年12月2日(火)
「The Walker's」というジャズのフリーマガジンがあります。
タワーレコードやHMVほかいろんなところに置いてあるので読んだことがあるという方もいるかもしれませんね。
この本を発行している会社の社長さんが10年来の私の知り合いなのですが、そういったこともあってがんばって欲しいなあと思うのです。
雑誌のキャッチコピーは「ジャズの魂を揺さぶるフリーマガジン」。
しかし、これが面白い。
読んでみるとジャズ以外の比率の方が多いのではないかと思わせるくらいその他のジャンル、特にロックやポップスについても掲載されているのです。
おそらく狙いはジャズファンに向けてというよりも「ロック好きもジャズを好きになって欲しいのだ」というところではないでしょうか。
ここの社長さんは私と同じ世代なのですが、40代も半ばを過ぎてくるとさすがに今の若者向けの音楽にはついていけなくなってきます。
いや彼はついていけてるかもしれませんが。
で、「じゃー俺たちは何を聴けばいいんだろう」ということになってくる。
そうするとおじさん世代は昔聴いていた音楽をもう一度ということで個人的なリバイバルブームということにならざるを得ないのが通常。
しかし、それでは懐古的人生になってしまうではないか。
ならば、大人には大人にオススメしたい音楽があるぞ。
こういうものを聴こうではありませんか。
ということをおそらくこの雑誌は伝えていこうということなのでしょう。
当店、ルースターもまさに同じ。
おじさん、おばさんはもう若者しかいかないライブハウスなんてうんざり。
おじさん、おばさんにうってつけのライブハウスに行こうと日本中にお伝えしていこうと思っているのであります。
というわけで「The Walker's」。頑張ってほしいなと思うのです。
ライダースジャケット。
2008年12月3日(水)
昨年、ダウンジャケットを処分してしまったのであります。
理由は汚れちゃったから。そしてかさばるからなど。
しかし、今年もめっきり寒くなって参りました。
新しくダウンジャケットを買うかどうしようかと考えましたが、どうもユニクロの宣伝にやられたのか、冬もスマートな格好をしたいなと思うようになったのです。
そう。ダウンはモコモコしているのでどちらかといえばスマートな感じではありませんよね。
そこでライダースジャケットはどんなものだろうと数日前に思いついたのであります。
ライダースジャケットはその名のとおり、バイクに乗る方々が着るもの。
私はその昔はホンダのCBR250というバイクで風を感じておりましたが、今は乗っておりません。
もっぱら車になっちゃいました。
つまり、ペーパードライバーならぬペーパーライダーであります。
さてそんな私がライダースジャケットはどうなのか?
そう思っていた矢先、あるお店でいわゆるファッション的なライダースジャケットを売っているのを発見したのです。
ちょいと羽織ってみると「うーむ、なかなかこれもいいかも」と思いましたが、この商品はフェイクレザー。
どうせなら本物のレザーの方がいいかもと思い直し、帰ったのでありました。
アメ横の中田商店とかに行けばそれこそすごそうなのが売っていそうですが、そうでなくファッション的な軟弱ライダースジャケットがいいのです。
それでいてしっかりレザー。黒じゃなくて白とか他の色でおしゃれなの。
こういうのはどこで売っているのかなあ。
誰か知りませんか?
そろそろ探さないといかんですなあ。
なにしろ早く見つけないと冬が終っちゃうもので。
ミュージシャンのアート展
2008年12月4日(木)
ミュージシャンのアート展Vol.8という展覧会が今年もありますよ。
下記の方々による絵やイラストなどが展示されます。
エリ・岩田浩史・鈴木雄大・石田一郎・西村ヒロ・藤原美穂・ナポレオン山岸・勝誠二・ノリィ・渡辺明夫・宮原芽映・石田英範・近藤洋史(敬称略)
●2008年12月18日(木)〜23日(火) 12:00〜19:00
●世田谷区梅丘1-26-5-2F GALA
http://www.ap.to/~gala/
天才伝説崩壊す。
2008年12月9日(火)
40年近く前のお話です。
私は葛飾区金町に住んでいたのですが、当時「絵」を習っておりました。
先生は日本画家である近藤弘明先生(日本芸術大賞、紺綬褒章受賞)。
1924年生まれの先生はもう84歳になられています。
私の実家には近藤弘明先生の絵がピアノのレッスン室にどかーんと飾られておるのです。
実は昨日、その近藤弘明先生の小田原のアトリエへ行ってきました。
私は先生の高島屋での展覧会に一度伺って以来の再開ですが、それは一瞬のできごと。
私の親が交流があったゆえ、この再会となりましたが、じっくりお会いするのは40年近くぶりとなるのです。
84歳とは思えないほど元気な先生は当時の私と今の私とを見比べ、懐かしむようにあれこれといろんなお話をしてくださいました。
私は将来は画家になろうなどとは一度も思わなかったのですが、英才教育でしょうか、習字と絵、そして親からはピアノも習わされたのでした。
近藤先生は当時、私のことを「この子は天才。凡人にはない感性を持っている」などとよく親に伝えておられ、その後も「あの天才の子はどうしていますか」などと親と会話していたそう。
日本芸術大賞の先生から私は「天才」と呼ばれていたのです。
「天才」ですよ、「天才」!
いやー、見る人が見るとわかるんですね。
というのは冗談ですが、たしか小学校の美術は6年間、5だったような記憶があります。
それに幼稚園から生意気にも作曲なんかしていて幼稚園での歌にされてしまったこともありましたっけ。
さぞかし親としては将来を期待していたことでしょう。
まあしかし、世の中そうはうまくいきませんよね。
先生のアトリエに行って思ったのは、先生は人生のほとんど絵と過ごしていたということです。
これって凄いなあとあらためて思うのです。
84歳の今までずっとです。
私の子供の頃よりもずっと前から、絵だけで生きておられる。
いやー、凄い。
先生のアトリエにはなんと大正時代からあるというピアノがありました。
私に「何か弾いてくれ」と先生が頼まれるので、ゆっくりと静かに弾いてみました。
ピアノはまったくもって得意ではありませんが、先生の頼みですゆえ、弾いたのです。
私はヘタですし、長いのもなんなのでG線上のアリア風な感じで1分ほどピアノの上に置いてある置物や周りの古い絵などを眺めつつ弾きました。
すると先生がこう言うのです。
「やっぱり君は天才だ!」と。
「え? 先生、どこが天才なんですか」と聞くと先生は楽譜はおろか鍵盤も見ないでいきなり弾いたので驚いたと言うのです。
私は悟りました。
先生の人生は「絵」だけであったがために鍵盤を見ないで弾くだけで「天才」と思ったのです。
私は幼少時代、先生が「この子は天才ですよ」と言い、そしてを親が鵜呑みにしたのを40年経って先生と会い、なぞが解けたのでした(笑)。
おそらくみんなと違う描き方でもしたのでしょう。
今度、先生に客席を見てピアノを弾き、歌うファッツ・ドミノや目も見えないのにピアノを弾き歌うレイ・チャールズをオススメしてみようかな、いややっぱりやめとこうかな、と迷いつつ思いつつお宅を後にしたのでした。
12月はブルースいっぱい。
2008年12月9日(火)
ブルースは日本には無いというお話から某目黒のバーのママさんは目黒のブルースをぜひやりたいと語ったという新聞の記事を以前読みました。
「日本にはブルースがない」と思われているということは、長年ブルースをやっておられる方々の存在もご存じなかったということであります。
とても悲しいですが、それが実情。
今月もルースターはブルースライブをいっぱいやるのですが、目黒のママさんは絶対知らないのだろうなあ。
そしてほとんどの方々は「日本にブルースはない」と思っているのであります。
うーん、くやしーーーーーーー。
ルースターがなんとかしなきゃいけないぜ。
いや、なんとかすべきなのです。
なぜならずっとみなさんやってこられているのに知られてないわけです。
知っているのはブルース愛好家のみなさんのみ。
ん? ということは目黒のママさんはもしやブルース愛好家ではなかったのか?
まあ、それでもいいです。
ブルースライブをやっていただけるだけでも幸せです。
日本でブルースをやっている諸先輩の方々は小さなライブハウスや地方のお店でこつこつとブルースを広めようとされてきました。
ポップスの方々は信じられないでしょう。
それらの方々は自分たちが売れたいのですものね。
ジャンルとしてポップスを広めようとか思いもしないですものね。
とっくに広まっているから。
しかし! ブルースマンは売れたいのではないのです。
ブルースが好きで、みんなも好きになればいいのにとライブをしているのです。
ポップスの人とかは売れたいからどこかで聴いたことあるようなオリジナルを作る。
ところが!
ブルースの方々は先人たちのブルースを演奏しています。
そう、最初からスタンスが違うのです。
がんばるぞー。おー。
吉祥寺での買い物はギネス級。
2008年12月11日(木)
ルースターは夜からの営業ゆえに私は昼間は時間があるだろうと思われがち。
実は昼過ぎくらいから毎日仕事漬けになっております。
お店に入るのは夕方の4時くらいですが、それまでに2号店の経理関係や銀行や雑務を済ませねばならず、結局毎日12時間から13時間は働いている勘定でしょうか。
まあ、お店をやっておられる方々は大体そんな感じでしょうね。
会社に勤めている方よりも勤務時間は長いかも。
しかし、好きなことをやっているのでこんな毎日でも全然OK牧場であります。
昨日は1時間30分昼間に時間が取れたので「そうだ憧れのライダースジャケットを探しに行こう」と思いつき、ダッシュで吉祥寺へ。
往復に20分かかるとして、吉祥寺にいられる時間はおよそ1時間10分。
さて、たった1時間10分で気にいったライダースジャケットを見つけられるのか?
電車に揺られながら頭の中で吉祥寺の巡回コースを思い巡らせ、実行してみたのであります。
まずはダッシュで丸井のメンズショップを巡り、気になったジャケットをかたっぱしから袖を通します。
店員さんは「どんなものをお探しですか?」などと声を掛けてくる。
しかし、私にはその問い掛けに「ライダースジャケットみたいなのです」と早口で応えるだけ。
しかも、物凄い速さで店内を歩き、サッとジャケットを着て鏡の前に立ち、服を元の場所に戻し、隣の店に移動しているのです。
丸井の場合、お隣のお店との仕切りはあるようでないような感じです。
つまり隣はおろか、あちこちのお店での私の奇妙な行動は店員さんから目で追われているやもしれません。
その意味では「なんだあのお客さんは?」という空気をかもし出しまくりな私。
しかし、そんなことはお構いなしであります。
結局、探していたタイプではないものの、丸井では1着の候補を発見。
「これいいっすねー」という私に「お客さん、似合いすぎです」と店員さん。
セールストークとはいえ、気を良くする私。
しかし、私にはまだ45分も時間があるのです。
「また来るかもしれません」と言い残しすぐさま、駅の反対側のパルコへ。
メンズは丸井もパルコも上のほうの階ゆえに、エスカレーターも歩いて時間を節約。
残念ながらここでは発見せず。
しかし、パルコのある店の店員は「ウイッシュ風」のイケメンで彼のセールストークはちょいと気になり、ここに5分以上も滞在してしまう。
後は街中のいくついかのショップでありますが、いずれも「これだ!」というものには出会えず仕舞い。
結局、候補になっていた丸井のとあるお店のジャケットに決定することに。
戻った丸井のお店の店員さんに「お帰りなさいませ」と言われるやいなや、「これください」と財布を出す私。
結局何軒回ったのか?
おそらくギネスブック級の記録を出したに違いありません。
今日、さっそくそのジャケットを着てみました。
そして「お、これ裏地はこんな感じだったのか」と確認したのでありました。
ジャズ読本2009発売される。
2008年12月13日(土)
スイングジャーナルの増刊号、「ジャズ読本2009」が発売されました。
以前、ここにも書きましたが、やはりジャズにおける史上最大のバトルというのがテーマでした。
エラ・フィッツジェラルドとサラ・ボーンはどっちが凄いのか?
ビル・エバンスVSオスカー・ピーターソンほかとんでもない内容でバトルが展開されております。
上記のコンセプトを受け継ぐカタチでジャズ系のライブハウスも誌上バトルという趣向のページもあってルースターも紹介されています。
このコーナーのトップページには「全国の人気ジャズスポット33店を厳選」とあります。
えーと、全国の人気ジャズスポット33店です。
ここに荻窪ルースターは入っていたのであります。
はい、しつこいっすね。
33店の中で文章を依頼されたマスターはわずか7店。
ここに私はアホ丸出しな文章で参戦しております。
そして私の顔写真も掲載されているのですが、なんとそこには「イケメン・オーナー佐藤氏」とキャプションが付いておりました。
念のために申しますと、このキャプションはスイングジャーナルの編集部の方が書いたものであって決して自分で書いたわけではありません。
いやいや、「怪しいものだ」と思われるでしょうが本当です。
雑誌を開いてこのキャプションを見つけた私はどうしたか?
すぐに当店のスタッフに「ほら、ここ読んで」と写真のキャプションを指差したのでした。
これまた失礼いたしました。
ダジャレマニア。
2008年12月14日(日)
今年の8月24日からメールマガジンを始めたのであります。
メールマガジンで送信しているのは当日の空席情報です。
なぜなら誰も「ルースターは今日、何をやっているのかなあ」なんて思い出してはいただけないですし、しかも「突然行っても席が空いてないかもしれない」と断念されてしまうかもしれません。
でも今夜のルースター空席情報が夕方の5時過ぎに携帯にメールで届けば「お、じゃあ今日行ってみようかな」という風に思っていただけるのではないだろうかと始めたのでありました。
で、以前も書いたのですが、メールマガジンはメルモという会社を通して配信されておりますので、私は登録していただいた方のお名前はおろか、メールアドレスも知ることができません。
わかるのは参加人数のみであります。
それと先にお知らせしたいのは、登録するとルースター空席情報だけでなく、お得ななんとかニュースとかも配信されてくるのであります。
メールマガジンの会社はここの広告主からの収入でなりたっているのです。
ではこのニュースは必ず受信しなければならないかというとそうではありません。
あなたにとって必要な情報であれば、そのまま配信を希望しておけばよいし、「これはいらないなあ」ということであれば配信を受け取らないを選択すればよいのです。
これについてはご参加いただいたみなさんはクリアされていらっしゃると存じます。
問題は「ルースターのメールマガジン、ただ空席情報だけでは面白くないなあ」と思い、毎回情報にダジャレを入れていくようにしてしまったことであります。
来られたお客様に「今日のダジャレはいまいちでしたねー」なんて言われてしまう始末であります。
何しろ毎日のことなので必ずしも最高なダジャレもなかなか厳しい。
だんだん苦しいダジャレになってきています。
どんなダジャレかと言いますと、「あなたのお越しをまつだいらけん」みたいな感じです。
まあ、ダジャレにレベルがあるかどうかも微妙ですが(笑)。
というわけで徐々に参加していただいているお客様が増加中であります。
ダジャレマニア(?)の方がいらっしゃいましたらぜひご参加を。
ジャズスポットガイドの取材で。
2008年12月17日(水)
今日「ジャズスポットガイド」(仮題)の取材がありました。
私は取材で聞かれるであろうことはパソコン中にまとめてあるのであらかじめプリントアウトして記者の方を待ちました。
こうしておくと取材時間を短縮できて、別の会話の時間ができるのでよいのであります。
「ルースターさんはジャズ以外も多いのですね」という記者さん。
私が「ジャズのお店の中ではルースターは異色の存在とよく言われますよ」と言うと、記者さんは「ジャズクラブはジャズしかやらないお店がほとんどですからね。そういえばブルーノート東京だっていまやジャズ以外のほうが多いのでジャズにこだわることはないのかもしれませんね」とのこと。
ルースターの場合はブルース系でスタートして後にどんどんジャズが増えていったので、そりゃもう正統派ジャズクラブ側から見たら異色中の異色なのであります。
記者さんは全ての取材先に「よくかけるCDを3枚ほど教えてくれますか?」と聞いているそう。
私が用意したCDは次の3枚。
ニューオリンズで買ってきたKermit Ruffinsの「BIG EAZY」とTHE DIRTY DOZEN BRASS BANDの「VOO DOO」、そしてB.B.KINGの新譜「ONE KIND FAVOR」でありました。
さすがは異色店。
日本の正統派ジャズクラブではきっとかからないでしょう(笑)。
しかーし、前述のブルーノートではB.B.KING先生も出演されたこともあるし、ダーティダズンはどうだったかわかりませんが、ワイルドマグノリアスの出演はあったのでした。
そういえばこの前の東京JAZZだってサム・ムーアやスライとか出てましたっけ。
そういう意味では正統派ジャズクラブが何十年も前のレコードをかけ続けているとすればもしかすると世界規模で見ると「ルースターは異色ではなく普通かもしれないぞ」と思ってみたりもするのであります。
でも、昨日はブルースをやっておりましたがお客さんが帰り際に「ボサノバは今度はいつですか?」と聞いてくれました。
なので、ルースターはこれでいいのであります。
毎日、同じものは食べないし、音楽もいろいろ楽しいし。
いいものいっぱいの方が面白いですものね。
ということでジャズとブルースとラテンとブラジルとファンクとソウルと歌謡曲(!)等など今後もいろいろやっていきますぞよ。
ノースサイドのこれ面白そう。
2008年12月18日(木)
ルースターの2号店、ルースター・ノースサイドは本店では観ることのできない面白いライブをよく行っております。
たとえば、12月26日はPRISMが出演します。
以前は本店で行っていたPRISMですが、トリオバンドにも関わらず、ステージが広くないとできないのです。
なにしろドラムセットだけで通常の2倍のスペースを必要とします。
ところが、本店はグランドピアノを入れてしまった関係でステージが狭くなってしまい、たとえドラムセットがセッティングできたとしてもベースとギターの機材が置けないのであります。
で、2号店、ノースサイドへ移動して行うようになったのでありました。
PRISMといえば日本初のフュージョンバンド(当人たちはもしかしたらフュージョンではなくロックバンドかプログレバンドと思っているやもしれませぬが)。
PRISMのデビュー盤の発売される当日、開店前からレコード屋さんには行列が出来たという伝説があるそうです。
いやー、凄すぎですなあ。
それとドラムのスペースというお話が出てきたので紹介しますと、1月9日にはドラム3台という物凄いライブがあります。
音楽はリズムだ! しかし、音楽に対するドラマーの考え方は三者三様なのだ!
これを体感していただくという内容。
出演メンバーは植村昌弘(ds)つのだ健(ds)湊雅史(ds)という3人のつわものドラマーに 辰巳光英(tp)早川岳晴(b)という布陣。
あのドラムマガジンも取材に駆けつけるというドラマーなら見逃せない歴史的ライブというものです。
翌週1月13日の片山広明(Tsax) 鬼怒無月(g) ナスノミツル(b) 湊雅史(ds)という最強メンバーでのライブも凄そうであります。
というわけで本店のみならずノースサイドのスケジュールも要チェックですぞ。
だー!
2008年12月19日(金)
自動車メーカーが大変であります。
詳しくはわかりませんが、景気が悪ければ新車は買わず、車検を通す人が多くなりますし、1ドルが88円とかではさすがに輸出なんてありえないでしょう。
しかもメーカーには関連企業もたくさんありますゆえ、そりゃもう大騒ぎです。
これにより最近は比正社員の雇用問題が大きな社会問題になっています。
実はかつて私はルースターを始める前に自動車メーカーの期間従業員を1年間やったことがあったのでした。
なぜかというと、ルースター開業資金の不足を貯めるためでした。
さらに期間従業員というのは辞めることを前提にして働くという私にとっては実は好都合であったというのも大きな要因でした。
というのは「ライブハウスをやりたい」と以前務めていた広告制作会社に辞表を出したからであります。
期間従業員はその名のごとく期間が決まっている比正社員。
期間が来て辞めるのならあの辞表を出す申し訳なさを感じなくてよいわけです。
契約は1年。
働いていた1年間はなーんにも買わない生活をしていましたっけ。
しかも、仕事は超ハード。
最初は「こりゃ人間の限界に挑戦させられている」くらいな気分でした。
実際、翌朝行くと来なくなった人のオンパレードで同時に入って1年間一緒だった人間はいったい1000分の何人くらいだったのか?
自分の周りではほとんどいなかった感じでした。
ある意味では「人間は我慢すれば辛い仕事も慣れてしまうのだなあ」とも思うのですが、さすがに急に辛い仕事に転職してくると「こりゃ無理だ」と思うのも当然。
辞めていった人は根性がなかったのだなんて思いません。
むしろ気持ちはわかりまくっておりました。
私の場合、なぜ辞めなかったかというと開業のために「もしもここで辞めたらライブハウスが夢のままになる」と思ったからでした。
だって、1年後に開業を考えているのに辞めちゃったらどうやって資金を貯めるのか?
その方法があるくらいならひ弱な私が好き好んで重労働なんてしませんものね。
当時の私は34歳。
現在、46歳です。
もちろん今は現在の仕事で「大変」を楽しみながらやっています。
でももしも34歳の時、期間従業員を挫折していたら今はなかったはずですし、とんでもなく将来の不安を抱えてしまったに違いありません。
無論それは46歳の今も同じかもしれませんが、当然ながら今、挫折なんて考えもしませんし、不況だろうがなんだろうが他に仕事はありません。
他に道は一切ないのであります。
不謹慎ですが、こういう世の中の今だからこそこうしていられることをありがたく感じ、みなさんに感謝しつつ、もう一度初心に返って頑張ろうと思います。
目標は生演奏を聴きに行くことが日常的という日本にすること。
それがたとえ見知らぬミュージシャンの演奏であってもです。
そのためには日本の多くのミュージシャンがライブの仕方を変えていかなくてはなりませんし、ライブハウスもしっかり人選して出演させるというお店が大多数を占める必要があるでしょう。
私が好まないタイプのチケットを渡して「売ってきてください」という発想のライブハウスもそのうち少しずつ形式が変わっていくような気もします。
たとえばルースター・ノースサイドのような発想に切り替えるお店が増えていく気がするのです。
それはともかく、とてつもない壮大な目標に向かって挑戦していこうと思います。
旅行に行くなら「その土地のライブハウスに行ってみよう」ということが自然になったり、海外からの旅行者は「日本に来たのだからライブハウス巡りをしようよ」というくらい、本来の意味での生演奏王国日本を最終目標に。
よーし、がんばるべー。
自由時間。
2008年12月19日(金)
今日はルースター本店とノースサイドのスケジュールチラシを印刷しに高田馬場まで出掛けてきました。
印刷はたった1時間ほど待つと仕上がるのであります。
いや早い早い。
で、この1時間を高田馬場でどう過ごすか?
「あ、そうだ!」と思い出し、気になっていたお店へ行ってみることにしました。
そのお店とはつけ麺屋さん「やすべえ」。
BIGBOXから新宿方向に行く道の一本明治通り側の裏通りにあります。
窓越しに覗くといつも満席なので「さぞかしうまいに違いない」と思っていたのです。
まずは食券を買うというシステムでした。
ところがなーんと並も大盛りも同じ720円!
「うへ、まじで?」
一瞬大盛りにしてみようかと思いましたが、ヘタに大盛りなんか頼んで「ラーメン二郎」みたいに死ぬほど大盛りだったら困るので並ボタンを押してみました。
食券を取り、振返るやいなや、「こちらへどうぞー」の声。
お水の入ったコップが置いてあり、「ん、そこに座るのね」とすぐにわかってなんだかいい感じ。
当店なんか、スタッフが接客中のタイミングに入ってきたら「どこに座ればいいのかなあ」とお客さんに思わせてしまいますものね。
で、隣に座った人が「まいど」と言われていました。
これはしめしめであります。
このお店のベテランはどういう行動を取るのか分かるからであります。
隣のお客さんとほぼ同時に私にもつけ麺が到着。
麺は割りと多めでしかも太目。
「大盛りにしなくてよかったかな」と一安心。
そのときです。
隣のベテランさんが目の前にある「ねぎ」と書かれた壺からトングでなにやらスープに入れ始めました。
さらに「かつおぶし」と書かれた入れ物をおもむろに手に取り、ちょうどコショーを振るような感じで麺にドバーっとかけたのです。
「うわ、かつおぶしが粉状になってる!」
私は右目で確認したのでした。
さて、私はどうしよう…。
ここは普通にまずはそのままつけ麺をいただいてみる。
「う、うまい!」
そのまま全部食べてもよかったのですが、隣のベテランの「ねぎ」が気になるのであります。
私は初心者と悟られぬように(笑)、ささっと「ねぎ」の壺から謎の「ねぎ」を取り出しました。
「お、たまねぎのみじん切りだ」。
心の中でささやくとスープへ。
さて、いかがなものか?
「ん、変わらないぞ」。
さては量が少なすぎたか?
まあ、いいか。
かつおぶしはどうしようかと思いましたが、くしゃみしてもいけないので振らないことに。
そろそろ食べ終わろうかという時です。
ベテランさんが「つゆ下さい」とどんぶりを店員さんに差し出したのであります。
それを一気に飲み干すと「ごちそうさん」と席を立つベテランさん。
うーん、かっこいい。
真似をするかどうするか?
いやこれはもしかするとベテランさんだけの行動かもしれないぞ。
だって他のお客さんは誰も同じことしてなかったし…。
そういうわけで今日のところは静かに引き下がってみました。
外に出てまだ時間があるので食後の珈琲。
7回くらい目でしょうか。
ジャズ喫茶「マイルストーン」へ。
いやー、ここは落ち着くなあ。
印刷の待ち時間ってなんだか「今からあなたに1時間の自由な時間をあげましょう」って言われたみたいに感じます。
また印刷に行くのが待ち遠しいのでありました。
曲がれ曲がれ。
2008年12月20日(土)
昨日の続きであります。
つけ麺の後は高田馬場のマイルストーンというジャズ喫茶で珈琲を飲みながらまったりとしておりました。
前も書きましたがここには本棚があって読んでもいいし、気に入ったら買ってもよいということであります。
私は「そんなに時間もないし、ささっと読めるものはないかな」と思って本棚の前に立ちました。
すると目の前に寺島靖国さんの日記本を発見。
「日記を本にしたのならば時間切れでも、うーむこの続きはどうなるのだ? と後ろ髪を引かれることもなかろう」と、手に取ってみました。
寺島靖国さんは吉祥寺でジャズ喫茶(今はライブもやっている)「Meg」ほか、何軒かのお店を経営されており、著書も「辛口!JAZZノート」以来、多数あるお方で、スイングジャーナルなどでも常連で執筆されておられます。
このほかラジオ番組もやられており、いつぞやは私も番組に出演させていただいたことがあります。
さらに言うなら70歳を越えていまだバリバリであります。
そんなジャズ界では知らぬものなしのお方の日記をまとめた本とはいかに?
いざ読んでみると「うにゃー、まじで日記じゃん」でありました。
もちろん読み応えのある日もありますが、「今日はどこへ行きました。何を食べました」だけの日も!
いやー、さすがは寺島靖国さん。
これを出版してOK牧場なのですから単純に「うらやましい」のであります。
いえいえ、決して非難などするつもりはもうとうございません。
私にとっては尊敬する部分が多い方であります。
寺島さんの文章は辛口ゆえにいわゆる敵も多くなりますし、非難される方も多いかもしれません。
でも、これ有名税みたいなものかもです。
例えは悪いのですが、一国の総理大臣になれるようなお方だってどんどん支持率が下ちゃいましたし、芸能人だって好き嫌いで語られちゃいます。
注目される方は大変であります。
非難は容易だけど実行は難しいのは誰もが知っているはず。
でも多くの方は大衆に非難されるという経験は持ち合わせないのであります。
もしこの非難される側に回った場合、自分ならどうなるのか?
そりゃーもう、海外にでも逃亡しかねません。
しかし、我が道を進み続ける寺島さんはその面から見ると凄い!
それに比べれば規模は小さいですが、ルースターについてもたまにそういう声を聞くことがあります。
はい。良くないことは改善します。
でも曲げられないところは曲げられないかも。
スプーンとか…。
カルロス・ジョンスン再来日決定。
2008年12月21日(日)
2004年に行われたジャパンブルースカーニバルでのオーティス・ラッシュの演奏は涙ものでありました。
脳梗塞により、ステージに立てないほどの状態になっていたにも関わらず、ブルースをしに日本までやってきたからであります。
しかし、ラッシュは野音に集ったブルースファンを総立ちにさせたのでした。
ああ、今思い出しても身震いしちゃいます。
そのときにサポートギターを弾いたのがカルロス・ジョンスンでした。
来日はこれが初めてではなかったのですが、あの野音でのスクイーズ・ギターに一発で心を奪われた方は少なくはありませんでした。
昨年の単独来日はその姿をひと目見ようとどの会場も満員御礼となったからです。
そして2009年、カルロス・ジョンスンはまた日本にやってきます。
ブルースを搾り出しに。
『CARLOS JOHNSON 〜Blues Caravan 2009〜』
開催日:
2009年2月27日(金) / 京都・磔磔
2009年2月28日(土) / 名古屋・得三
2009年3月1日(日) / 渋谷・O-nest
2009年3月3日(火) / 札幌・BESSIE HALL
【京都・名古屋・東京公演】出演
CARLOS JOHNSON & the GO EAST!
横山一明(g) / 加藤エレナ(key) / 登敬三(ts) / 倉本巳典(b) / 酒井カバ男(ds)
詳細はこちら。
http://www.bls-act.co.jp/news/137/
親心。
2008年12月23日(火)
以前当店で働いていた女子スタッフ、Aちゃんがなんとライブをするというので覗きに行って見ました。
ライブはAちゃんの相方が仕切ったイベントで、都心中の都心のライブハウスで行われました。
Aちゃんのライブなんて見るのは初めてでかなり楽しみでした。
「いやー、でも大丈夫か俺?」であります。
というのも私が超苦手なロック系ライブハウスへの夜中の潜入であります!
しかも初めてのお店です。
不安だなあ…。
Aちゃんはドラム担当。
相方はキーボード。
たったふたりの編成なのであります。
Aちゃんの相方はイベントをやるのが得意だそう。
この日はいくつかのバンドを集めていました。
バンドの合間にはDJがかけるドラムンベース調のサウンドにMCがフリースタイルのラップで盛り上げています。
「こういうのって馴染みがなかったけど、案外面白いものだなあ」と思わされました。
そういえば、まったく聴きはしませんがラップとかって歌詞がものすごく長いっすよね。
印税という点から見るとどんなに長い歌詞でも1曲扱いなのでしょうか。
一瞬、損なような気もしますねー。
でも思いつくまま韻を踏んで永遠にラップするフリースタイルができる方々にとっては、長い歌詞を作るのもお手の物なのかもですなあ。
いやーたいしたものです。
さて、いよいよAちゃんと相方さんの登場です。
私は1メートルくらいの高さのあるステージにへばりつくように最前列へ。
いや、そんなところに陣取る予定ではなかったのですが、なにせ狭いライブハウスで全員が立って見てる状態。
しかも踊ったりしている若者たちがいたりするので一番邪魔にならなくて見やすい場所を探したらなんと最前列だったのであります(笑)。
さあ「がんばれAちゃん」と心の中で叫びながらの1曲目。
「おー!リズムいい! いやー、いいねー」
まるで子供の運動会でお父さんが応援しているかのような気持ちとでもいいますか、ある意味そういう目で普段、ライブを見たことがないのでハラハラとワクワクとが私の中で共存しておりました。
曲はループもの。
いわゆる2コードをキーボードで弾いてそれを足元のエフェクターで録音し、再生するのです。
するとキーボードはさっき弾いた演奏がもう弾かずとも再生されます。
それにあらたにメロディをつければひとりで二役も三役も可能になります。
たったふたりだけど分厚い音で、リズムもいいし、ひいき目で見ちゃうけど楽しかったでした。
きっと昔ならビールでも飲みながら「いえーい!」なんて踊って叫んでいたかも。
なんか若いっていいですねー。
彼らにとっては「こういうロック系ライブハウスはパラダイスなのかもしれないなあ」と思うのでした。
そういえば、先日ジャズ雑誌の取材で「ライブはどこで聴くのが好きですか」という質問がありました。
私の答えは「自分のお店で聴くのが一番好きです」でした。
さすがに自分のお店で飲みながら聴くということはありませんが、そうでなくともここが一番好きであります。
マナーのなさげな場所は苦手でなのであります。
飲む&マナーといえば、このロックのライブハウスでは入り口でドリンク引換券なるものを渡されるのですが、実は飲み物は飲まないことにしました。
なぜかというと店内に入ったら床は飲みものでビショビショだし、たばこの吸殻はいっぱい落ちてるし…。
なんだか気持ち悪くて飲む気分ではなかったのでした。
でも若者はそれでも平気なのですねー。
っていうか彼らが汚しているわけですから平気に決まってますなあ。
ルースターでは床に吸殻を捨てる人なんて絶対にいないっすから、そういう意味では世界が違うといいますか、社会勉強みたいな気分で見ざるを得なかったっす。
Aちゃんのユニットはいい感じでしたが、ロックのライブハウスにはやっぱりなじめないっす。
でもきっとこれは人それぞれということなのでありましょう。
いや、そうじゃなくて自分も分別のある人間にいつしかなっていたといったほうが正しいのだと思います。
なにしろこんなことを書く私だって20代前半まではロックでしたし。
若い頃って悪いことをするのがちょいとかっこいいみたいなところもあったし…。
老婆心ながらといいますか、Aちゃんにはもうちょっと健全なところでライブしてほしい気分であります。
でも「マスター、こういうところはこういうものですよ」って言われちゃうのかも。
うーむ、私はおじさんなのでしょうか?
はい、そうです。
また大晦日がやってくるぞ。
2008年12月25日(木)
今年も大晦日が近くなってきました。
毎年恒例のルースターカウントダウンライブであります。
思い起こせば1999年の大晦日、「ルースターさんではカウントダウンライブをやりますか」となんと警察から電話がありました。
なぜ警察さまからそんな電話が入るのか一瞬あせりましたが、内容は2000年問題でありました。
そうです、年号が変わるともしかしたらコンピューターが止まってしまい、世界中が停電したりするかもしれないという噂があったのでした。
なので「もしカウントダウンライブをされるのであれば停電になる可能性がありますのでろうそくなどを用意してください」というお話だったのです。
いやー、警察の講習会には毎回しっかり出席している私ですから、怒られるはずもないのですが、さすがに「警察ですが…」という電話はあせりますよね。
もちろん、何事もなく2000年を迎えたのでした。
さて時は流れもうすぐ2009年。
本店の12月31日のスケジュールにはカウントダウンライブとあります。
出演は「ぶちかま志郎&左足ブラザースほかルースターレギュラー出演者」。
チャージは無料!
ぶちかま志郎とは私のことであります。
多くのお客さんは私を手品をする人と思っているのですが、手品はお店を始めてからやるようになったのでして、演奏のほうは30余年(まあたいしたことはないのですが)。
手品が本領発揮ではなく、演奏こそ本領発揮なのであります(にゃははー)。
それはともかく、毎年のことながら、ルースターレギュラー出演者がはたして何人来てくれるのか?
なにしろチャージ無料なのでノーギャラであります。
ということで大晦日に出演してくださいと誰も誘っていないに等しい状態なのです。
毎年心配しているのですが、今年はどうなるやら。
それともっと心配なのがお客さんが大晦日から新年にルースターなんぞに来てくださるのか?
毎年大晦日や何周年とかの日にはもの凄く心配になるのであります。
ところがそんな心配はどこへやら、毎年大晦日には延べ100人くらいの方にお越しいただいておりました。
いつも「こんな大事な日に、しかも日本中イベントだらけなのにルースターへ来て下さるなんてとてつもなく嬉しいなあ」と感謝感激になるのであります。
されど今年は本気(まじ)で心配です。
ということで直接申し上げにくいのですが、ルースター出演者の皆様、そして大晦日にご予定の隙間がある方はぜひルースターへどうぞー。
もちろん、大晦日以外も毎日真剣に営業中。しかも年末スペシャルなライブをやってますー。
ロバート・ジョンソンの3枚目の写真。
2008年12月25日(木)
ロバート・ジョンソン(1911年から38年)を初めて聴いたのはたしか高校3年生の頃だったか。
みなさんご存知のクロスロードブルースの作者がこの人。
十字路で悪魔と取引をしてブルースの腕を手に入れたという伝説は映画「クロスロード」にも登場していますし、「俺と悪魔のブルース」というコミックにもあります。
しかし、それよりも彼が短い生涯で残した29曲のブルースはカバーされまくっているので「え、この曲もそうだったの」ということになるでしょう。
私には弟がいます。
私が高校3年で弟は高2の頃のお話です。
私がリッチー・ブラックモアが凄いと思っていた頃、弟はスコット・ジョプリンなど今で言うルーツミュージックなどをコピーしたり、その一方では当時流行ったドゥービーブラザースなんかをギターで弾いたりとかしていたのです。
弟が聴いていた中にはロバート・ジョンソンもあったし、B.B.KINGもあったのでした。
いやー、今思えば若いのにいい趣味をしていましたねー、弟は。
でも彼はシタールを習うためインドに渡り、ネパールを旅し、帰ってきたらすっかりネパール人のような人間になっておりました。
月日は流れ、今、弟は山奥で民俗楽器を作りながら仙人のように過ごしています。
逆に私はブルースのライブをやるようなライブハウスをやってしまうようになりました。
さて、そんな弟のかけていたロバート・ジョンソンに高校3年の私は感動はおろか、たしか「なんかへんなの」と思っていたのでした。
そうなんです。しっくり来なかったのです。
でも日本の高校3年生にブルースを解れと言ってもちょいと無茶な相談です。
それもそのはず、ロバート・ジョンソンは弾き語りのブルースでしかもコードとかも変則。
フォークからロックへ興味が移ったばかりの私にはちょいと面白みに欠けていたし、しかも真似のできないような演奏だったのでなおさらでありました。
ロバート・ジョンソンのレコードジャケットはイラストで部屋で一本のマイクに向かってギターを弾きながら歌っているものでした。
昔の人なので写真も無いのだろうと思ったのですが、それからずいぶん経って2枚の写真があることを知るのです。
それから何年もロバート・ジョンソンに興味を持つことも無く、私はロックに突っ走っていたのでした。
さて、そのロバート・ジョンソンの写真は2枚しかないと世界中の人が思い疑いませんでしたが、今日出演していたローラーコースターの小出さんの話によれば、どうも本人らしい3枚目の写真が発見されたというのです。
どうやらこれがそれ。
http://www.vanityfair.com/culture/features/2008/11/johnson200811
そりゃもう男前です。
ブルースマンは違う意味で男前が多いのですが、ロバート・ジョンソンは顔も男前。
これじゃもてて当たり前でしょうね。
そうそう白夜書房から「ロバート・ジョンソン:クロスロード伝説」(2000円)という本が出ました。これはアフターライフ、つまり彼の死後、彼の伝説がどう伝わっていったかを追跡調査したもの。
3枚目の写真が本人かどうかは100%とは言いがたいらしいですが、この本は内容を曲げることなく伝えているそう。
読まねばならぬ一冊であります。
ブルースは味噌汁の味。
2008年12月26日(金)
当店のスタッフにM君がおります。
M君はかの有名なダウンタウンブギウギバンドのベーシストでもあった新井武士さんのローディとしてルースターに出入りしていたのですが、いつしか働くことにもなっていたのでした。
M君が出勤の日は100%の確立でまかないに味噌汁が出てきます。
というのもM君は味噌汁を作ることが三度の飯よりも好きという人間だからです。
彼が出勤する日は店に入ってくるなり、「おはようございます」の言葉よりも先に「今夜のまかないは俺が作る」とほかのスタッフへ威圧感たっぷりに伝えます。
その声はとても低く、女の子スタッフは「は、はい、お、お願いします」とちょっと後ずさりぎみ。
M君はおもむろに冷蔵庫を開けると「豆腐がたりねーな」と独り言。
そう、M君はその日の仕入れに何を買ってくるか確認する前に今夜の味噌汁の具をどうするかを考えるのです。
開店までの時間は彼にとってはパラダイス。
そう、味噌汁を作る時間だからです。
M君は味噌汁を作っている最中、味見をしては「鰹節が足りなかったな」とか「うーん、油揚げはもっと細く切るべきだったか」などの独り言を言っていてリハーサル中、PA卓を操作している私の右耳にそれは小さく聞えてくるのです。
そういえば以前、M君は私に向かって「マスター今夜のまかない、何食べたいですか?」と聞いてくれておりました。
しかし、そのたびに私は「すきやき」と応えていたのがいけなかったのか、最近はもう聞いてくれません。
ここだけの話ですが、実は私は和食よりも洋食が大好き。
しかし、味噌汁には和食。
つまり、M君が出勤すると20000%の確立で和食なのであります。
サンマとか。
私はブルースやジャズのライブを聴きながら今夜も味噌汁をすするのでありました。
ブログの広告のこれってどうなの?
2008年12月28日(日)
最近、インターネット上で「ライブハウスには出演するな」という広告をよく目にします。
どういうことなんだろうと、クリックしてみるとどうやら「アマチュアバンド向けに集客方法のノウハウを売っている」ようであります。
新手の商売ですな。
なぜこんな商売が始まってしまったかには要因があります。
アマチュアバンドがライブハウスに出演するためにはなんとチケットを自分で売らなければならないのであります。
さらにそのチケットにはある程度のノルマがあるのです。
ノルマ以上のチケットが売れないとバンドが自腹でライブハウスにお金を支払う、つまりライブハウスの使用料金を払うことになるのです。
この方式ではチケットを売るのが大変だからライブするのはもう辞めようというバンドが続出してもおかしくありません。
アマチュアバンドを出演させているライブハウスのほとんどは「出演者募集」と表示してあります。
これは裏を返せば「チケットを売ってくるバンドを募集しています」ということ。
だって「一年中、出演者を募集しているってことは、たとえ出演したとしてもそういうライブハウスではどんどんバンドが出なくなっていく」ということですものね。
ところが今度はそれに目をつけて「集客方法を教えます」というアマチュアバンドからさらにお金をせしめようとする広告が出てきちゃったというわけです!
言いたいことは山ほどありますがここではやめておきましょう。
さてさて、問題はインターネットでライブハウスという文字が入っているブログなどには物凄く高い確率でこの広告が表示されてしまうことです。
これはアマチュアバンドの人が書いたブログに勝手に表示されるだけでなく、ちゃんとしたミュージシャンやお客さんが「ライブハウス」という文字をブログで一回でも書いたらそのブログには「ライブハウスには出るな」という広告がどーんと表示されるのです。
いやーちょいと不愉快ですぞー。
しかし、そもそも諸悪の根源はこの広告ではなく別なところにあるのです。
元を断たなきゃ変わらないのでしょうねー。